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剣道の素振りは目的を持とう
この素振りは、剣士としてのステップアップをする上で、
- どのような部分を強化するか
- どのような部分を強化したいのか
に応じて「目的」を持つと、より効果的なトレーニングすることが可能になっています。
今回は、剣道の素振りには目的を持とうというテーマで、どのような素振りが、どのような部分に役立つのかについて解説していきます。
素振りには目的を持とう
先程も解説した通り、剣道を行う上で素振りというのは基本中の基本であり、そして、どのような熟練の剣士でも日々行わなければならないようなメニューとなっています。
そしてその素振りというのは、大きく分けて二つの効果を期待することができます。
しかし、目的意識も持たず、ただ単純に竹刀を上下に振っているだけでは、これらの効果を期待することはできません。
よく体育会系の道場などでは、先輩から後輩に一日素振り2000本といったメニューが、脈々と受け継がれていることがあります。
これは単純に数を消化すれば良い、という頭になってしまいがちなことから、手放しにおすすめすることは考えものです。
では、素振りにはどのような目的を見いだすと良いのでしょうか?
筋力アップのための素振り
一つは筋力アップです。
少年剣士のうちは三四、三六などの長さで、非常に軽い素材を使っている竹刀を利用することもできます。
体が大きくなってくると、その分だけ竹刀も長いものを使わなければならない時がやってきます。
打突のパワーも大きくなっていきますので、軽い竹刀や短い竹刀を使い続けるというわけにもいきません。
また、中学生、高校生くらいになると、レギュレーション上竹刀の重さや長さが規定されることになります。
やはり年齢や体の成長に合わせた竹刀を用いて、素振りを行うことで、基礎的な筋力をアップさせておかなければなりません。
竹刀の太刀筋を整える
そして素振りが持つもう一つの大きな目的は、竹刀の太刀筋を整えるということです。
ご存知の通り、剣道の試合というのは、ただ単純に竹刀を相手の防具にあてれば、それで良いというものではありません。
太刀筋をきちんとわきまえた上で「気剣体一致」の状態で、有効部位を打突することが必要となっています。
もう少し極端な話をすると、筋力をアップさせた状態で、力強く相手の防具を単純に竹刀でブン殴るだけでは、試合に勝つことはできない、ということですね。
つまり、素振りというのは上記からもわかる通り、単純に筋力アップを望むだけでも、反対に太刀筋を調整するだけでもいけません。
次に、それぞれ筋力アップの素振りと、太刀筋を整える素振りでは、どのような素振りが有効なのかについてご紹介していきます。
筋力アップの素振り
まず筋力アップの素振りについては、上下素振りのように、上に振りかぶって下まで一気に振り下ろす素振りというよりは、
- 途中で竹刀をピタリと静止させる正面素振りの方がおすすめ
です。
そして正面素振りを行う際には、ただ単純に竹刀を振るうだけではなく「ヒュン」と風切り音がするくらいのスピードで、一本一本を打つようにしましょう。
もし、指導者の方や先生のご指導がよく飲み込めず、正面素振りがうまくできていないという場合は、あまり難しい事を考えすぎず、この風切り音がするように竹刀を振るように心がけると、自然と適切な筋肉を使い、適切なスピードで竹刀を振ることができるようになりますよ。
太刀筋を整える素振り
太刀筋を整える素振りというのは、先程の正面素振りがベストのような気もしますが、実は意外とそうでもありません。
太刀筋を整え、打突の精度を高める目的の場合は、あえて
- 背中まで振りかぶり、ひざ下まで竹刀を振り下ろす上下素振りの方がおすすめ
です。
こちらの方法は、背中が丸まっていると竹刀をうまく振りかぶることができず、結果としてひざ下まで一気に、そして綺麗に竹刀を振り下ろすことができません。
そういったわけで、太刀筋を整えて打突の精度を高める場合は、上下素振りを行うようにすると良いでしょう。
左右面の素振りは審査の対策にもGood
また、
- 左右面の素振りをするのも有効
です。
特に左右面については、昇級審査などでも確実にチェックされる項目となっています。
こちらは、正確な太刀筋を体に覚えさせるためにも、一本一本丁寧に打っていきたいところです。
まとめ
今回は剣道の素振りには目的を持とう、というテーマでお送りしてきました。
素振りは単純にただ本数をこなせば良いという事ではなく、
- 筋力をアップさせたいのか
- 太刀筋を整えたいのか
に応じて方法を考えるようにすると、それだけでも立派な稽古に繋がります。
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