武道家におすすめの情報
【剣道で「突き」は禁止されているわけではないが…?】
- 躱しにくい
- 受けにくい
- 予備動作が少ない
等メリットも多く、かなり実戦的な技であるともいえるでしょう。
しかしながら、近年の剣道界では突きという技そのものがあまり推奨されていない傾向があります。
もちろん試合で突き技を使用してもルール上何ら問題はないはずなのですが…
ありていに言って、突き技は「冷遇」されているとさえいえます。
中学生以下は突き技は禁止
前提として説明しておくと、
- 突き技は中学生以下の試合では使用を禁じられています。
これに関しては
「突き技は威力が大きいため、体が成長しきっていない小中学生が使うのは危険」
という理由があり納得もできます。
突き技は使いどころが重要
しかし何故か、突きが解禁されているはずの高校生以上の試合でも「相手に失礼」などの理論から突き技は敬遠されています。
特に
「目上の人に突きは失礼」
「突きはカッコ悪い」
「突きを使うのは卑怯」
といったことが目立ちます。
このような風潮になってきているのは、剣道が「武術」ではなく「伝統芸能」に寄ってきていることが一因だと考えられます。
もともと剣道は戦闘のためだけの技術ではなく「精神修行」という目的があり、稽古を通して礼儀や作法を学ぶことも剣道を修める上で大切でした。
武術修行と精神修行の両方を同じくらい大切にすることで立派な剣士が育っていったのです。
しかし平和になった日本において、剣道の「武術」としての側面は薄れつつあります。
剣道は戦うための技術ではなく、道徳的な習い事のひとつとして普及するようになり、「強さよりも礼儀作法のほうが大事」だと考える剣士が大多数となっていきました。
そうして剣道の本質が変わってしまった結果、今では有段者ですら「突きは失礼」というような考え方を持つに至っているのです。
はっきり言って、突きは非常に強力な技です。
純粋に「勝つ」ということを目標とするなら使わない手はないでしょう。
しかし現在の剣道界で「礼儀」が重んじられていることもまた事実…ルールに反していないから何をやっても良い、という考え方ではいずれ限界が来るでしょう。
現行ルールで突き技を使うためには、使いどころを考える必要があるということは頭に入れておいたほうが良いでしょう。
【現行の剣道ルールで突きを活かすコツ】
さて、ここまでは現在の剣道界における「突き」の扱いを解説しましたが…
あくまで突きは使いどころが難しいというだけで、高校生以上の試合であれば決して反則扱いになることはありません。
使いどころを考えれば突きは充分に活用できますし、むしろ
「失礼だから突き技は練習しないでいい」
なんて話にはならないので注意してください。
たまに「突きは有効打突になりにくい」なんて言われることもありますが、公式の試合ならちゃんと突きで一本を取ることも可能です。
社会人の実力者同士の試合では、突きで決着が着くケースは意外に多く、もちろん突きを使ったほうがその場で批難されるようなこともありません。
「突きは卑怯」という考え方は、むしろ上下関係の厳しい高校生〜大学生の試合で用いられることが多いといえるかもしれませんね。
しかし社会人同士の試合であっても、突き一辺倒で攻め込もうとすればあまり良い印象は持たれないでしょう。
それまでの駆け引きの中で相手の意表をつき、
- ここぞという場面で突きを繰り出せば何ら問題なく突きで一本を取ることは可能
です。
要するに適当に出すのではなく、攻め合いに勝ってから突きを出せば突き技も立派な戦術として見てもらえるというわけです。
突きひとつ出すために、周囲の反応を伺わなければならないというのも少々息苦しいですが…
現在の風潮がそうである以上、ある程度は従っておくのが賢明でしょう。
また、一本を狙うのではなく「攻め方」のひとつとして突きを出すのも悪くない手です。
突きの動作で相手の防御を崩し、二撃目・三撃目の打ち込みに繋げることで攻めの成功率を上げることができる
のです。
社会人でも突きに嫌悪感を示す剣士はいますが、そういった方でもさすがに誘導で突きを使うことにまで文句を言うことはないでしょう。
【剣道の試合で使える!突きの打ち方・練習の仕方】
中学生までは試合で使いどころがないこともあって、突きそのものが苦手という剣士は少なくないでしょう。
考えてもみれば、中学生まではルール違反だった打ち方が高校生になっていきなり強力な武器に変わるわけですから、それを「卑怯」と呼びたくなる気持ちも分からなくはありません。
とはいえ「突きはやったことがないから放置」というわけにもいきませんので、ここでは突きの打ち方のコツなどを簡単にまとめておこうと思います。
さて、突きが苦手な選手は、腕をピーンと伸ばして竹刀を突き出そうとすることが多いです。
もちろん竹刀を相手に向けなければ突きは出せませんので腕はある程度伸ばすのですが…
問題は「腕だけで突こうとしている」ということです。
実際にやってみるとわかりますが、鋭い突きは腕の力だけでは打てません。
- 「足」を使うことで相手に見切られない威力を発揮することができる
のです。
突きで勝敗が決した試合の動画を見てみると、その意味が良くわかります。
上級者は腕の曲げ伸ばしで竹刀を射出しているわけではなく、竹刀を相手に向けながら「相手側に踏み込む」動作をしていることが見て取れます。
剣先を相手に向けながら相手に近づけば、当然竹刀は相手に刺さる形で停止します。
これが結果として「突き」という技に昇華されているわけですね。
腕の使い方のコツとしては、
「突き垂よりも小手を突くイメージ」
を持つことです。
狙ったところを突くという動作は頭で考えている以上に難しく、多くの場合は突き垂を狙うと竹刀が上側に逸れてしまうでしょう。
そのため狙うところよりもやや下、小手のあたりに竹刀を持ってくるようにすることで、イメージと体の動きの誤差を修正することが可能になるわけです。
流派によっては
「小さく面を打つイメージ」
を持つよう教えている指導者もいるようです。
要するに腕を振り上げず、中段構えの状態から少し下に振り下ろすことで、ちょうど突き垂のあたりに竹刀が向くだろうという狙いですね。
確かにこの方法なら、無理に腕の曲げ伸ばしをしようと考えずに済むので良いかもしれません。
「突き垂よりも小手を突くイメージ」
「小さく面を打つイメージ」
のどちらでも構いませんが、実際に練習しながら自分にあったほうを意識してみてはいかがでしょうか。
突きで一本を狙うための練習方法はこちらをご覧ください。
剣道突きの動画
高校生以上では突きの技を使うことになります。
大人から剣道を始めた人にとっては、恐怖心もあると思います。
そのため、大人になって剣道を始めても、続かないという人は多いでしょう。
大人から剣道を始めた人は、それ専用の稽古や知識が必要になります。
詳しくはこちらをご覧ください。
剣道で上達する方法
剣道で上達するには、それに必要な知識を学んでおく事が重要です。知識がない状態で先生に指導を受けても、理解が深まりません。
逆に知識を持っていることで、理解が深まり、上達の速度は上がっていくでしょう。
こちらの無料メールマガジンでは、剣道に必要な情報などを配信しております。
ぜひ、ご登録ください。
剣道で上達していくには
- 一流の人がどのような練習や考え方をしているのか?
- 一流の指導者がどこをポイントとして指導しているのか?
それらを知ることができる、おすすめのDVDがこちらです。
ぜひご覧ください。
- 試合で結果を出せるようになる
- 理想的な剣道ができる
- 大人になって始めた人でも上達でき、試合で勝てる
- 高段者に「動きが良くなった」と認められる
- 子供が部活で大活躍でき、試合でも勝てる
- 子供に効果的な指導ができ、試合で勝たせてあげられる
- ライバルに勝てるようになる
- 手と足が一致するようになる
- かたい動きがスムーズな動きになる
- チャンスをものにできる動きが習得できる
- 合理的な動きが自然にできるようになる
- 運動神経が良くない少年剣士でも試合で勝てる稽古法とは?
- 子供剣士にありがちな、継足が歩み足になってしまう癖の矯正方法とは?
- 鍔迫り合いで相手に圧倒されて何もできない小学生が見落としている基本とは?
- 小中学生剣士が理解しにくい一足一刀と二足一刀の違いの教え方とは?
- 鍔迫りからの引き技でいつも一本勝ちできる小学生がやっている稽古法とは?
- いつも相手が打ってくるのを待って出ばな小手を打とうとする悪癖解決策とは?
剣道の竹刀を安く買えるお店
剣道で最もお金を使うものといえば、竹刀ではないでしょうか?確かに防具も価格の高いものにはなります。
しかし、竹刀は頻繁に割れたり、ささくれができたりして、剣道をしている間何度も何度も買い替える必要があります。
そこでおすすめなのが、ネット通販で購入することです。
仕組みの竹刀でも、店舗の竹のみを買うよりも安く購入することができます。
また、実践型や胴張り型などの竹刀の種類も豊富で、安く買うことができます。
ぜひご覧ください。
剣道おすすめラインスタンプ
剣道をしている人におすすめのラインスタンプです。剣道大会の結果報告に使えるスタンプ
日常で使える剣道イラストスタンプ
関連ページ
- 鍔迫り合いからの引き胴や逆胴を有効に使う
- 鍔迫り合いになると、引き面を打つ人が多く、相手もそのように予想している人がほとんどです。そこで相手の不意を突いて胴を打つ、さらにその胴が逆胴であれば、これはかなり相手を動揺させることができる有効な技となります。ぜひ、御覧ください。
- 相手の体勢を崩し試合の流れを有利にする剣道での体当たり
- 剣道の試合で勝つテクニックのひとつに、体当たりがあります。上手に体当たりをすることで相手にプレッシャーを与え、体勢を崩して相手の先が取れやすくできます。積極的に仕掛ける姿勢が好印象を生むので、相手を力で圧倒するような試合の流れに変えることもできます。ぜひ、ご覧ください。
- 剣道で一本を取るために審判員がどこを見ているのかを考えて試合をする
- 審判は、気合の大きい方、技を繰り出す回数が多い方が、一本を取る確率がより高いと考えています。次の一手に備えるという注意力、観察力、行動力も素晴らしい技の一つで、そういう意味では残心も重要なポイントとなります。ぜひご覧ください。
- 木刀による基本技稽古法に基づいた打ちを練習する
- 木刀による基本技稽古法は、木刀を用いて面や小手、胴の位置を正確に打ち、そしてキレイに正しい残心、剣士としての心構え、さらには足の使い方や技の後の抜け方、連続技の出し方などすべて剣道に必要な要素が詰まったものです。
- 剣道の素振りは目的を持とう
- 剣道とは切っても切り離せない関係である「素振り」ですが、この素振りは剣士としてのステップアップをする上でどのような部分を強化するか、あるいはどのような部分を強化したいのか、に応じて「目的」を持つとより効果的なトレーニングすることが可能になっています。今回は、剣道の素振りには目的を持とうというテーマで、どのような素振りがどのような部分に役立つのかについて解説していきます。
- 力任せではない!正しい体当たりで怪我を防ぎ攻撃の機会をうまく作るポイント
- 剣道での体当たりは、自分がいいポジションで攻撃が決まる為のいい機会を作る為の動作です。鍔迫り合いからの攻防で利用し、相手の体幹や体勢を崩し、その隙をついて技を決められれば理想です。打突後、自分の体を激しく当てていくことは試合の勝利の為の展開として重要ですが、ただ闇雲に力任せで行ってはいけません。正しい体当たりを認識し、実行できるポイントを紹介したいと思います。
- 剣道の試合で逆胴を打つ方法とは?
- 逆胴は難易度の高い技で、実際の試合で逆胴を打っても一本を取れることはそう多くありません。しかし受ける側としても逆胴は防ぎにくい技なので、うまく打つことができれば強力な武器となることは間違いないでしょう。逆胴の打ち方で大切なのは「相手に手元を上げさせること」です。相手が正面に構えている状態で逆胴を打ってもまず決まることはないので、最初はフェイントを入れるなどして相手のガードを甘くする必要があります。
- 剣道の鍔迫り合いをうまく崩す方法とは?
- 鍔迫り合いのテクニックは剣道における「引き技」を出す上でも非常に重要です。 剣道をやっていれば誰でも知っていることだと思いますが、実戦における引き技のほとんどは鍔迫り合いの状態から繰り出されます。 鍔迫り合いで相手との力が拮抗している状態では上手く引き技が出せませんから、その状況下で使える「崩し」のテクニックが非常に重要になってくるわけですね。