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剣道で重要な心技体一致について
- 「心技体一致」
という言葉を聞いたことがあると思います。
精神と技術、そして体捌きが満たされて初めて一人前の剣士である
というように私は解釈しています。
この心技体のそれぞれに沿って、試合で勝つための鍛錬について、個人的な解釈を含めて書きたいと思います。
心について
心とはすなわち、相手に打ち勝つ闘争心であるとともに、自分に打ち勝つ克己心です。
特に、後者の自分に打ち勝つ心を保つことは非常に難しいものです。
これは日々の厳しい鍛錬に向かうということだけでなく、試合の場でも同様です。
よくあるのは、
「相手に勝ちたい」
「何とかして一本を取りたい」
と思うがあまり、闘争心が高ぶりすぎて視野が狭まってしまい、相手の挙動が見えづらくなり、自らの隙も大きくなることです。
そうならないためにも、燃えたぎるような闘争心を持つ一方で、冷徹なまでに相手の隙を見逃さない精神、ある種のリラックス状態が必要です。
精神を調節する
しかしながら、そういった「心」を自身でコントロールすることは、なかなか難しいことです。
特に、精神的な興奮や弛緩というものは、自律神経系に制御されています。
この自律神経系は、自分の意志でコントロールすることができないものです。
そのため、普段の鍛錬の時から、落ち着いた心を持って相手と対峙することが重要です。
ではどのようにして落ち着いた心を持つことができるのでしょうか?
ここで、禅の教えの一つに、
- 「調身・調息・調心」
というものがあります。
この考え方は、自らの精神を調節するためのものです。
先に述べたとおり、心というものは自分の意志では制御できるものではありません。
しかし、心の変化に伴って、身体にも変化がでてきます。
身体を変化させて心を変化させる
緊張した時に、喉が渇いて呼吸が早くなり、体温が上がっていく、という経験は誰しもがしたことがあるでしょう。
このように、
心の変化と身体の変化はつながっている
ものです。
それを利用し、
身体と呼吸を調節することで自分の心を間接的に制御する
という考えが「調身・調息・調心」です。
具体的には、まず自分の姿勢をただし、なるべく力んでいない状態を保ちます。
そして自らの呼吸を感じ、それを徐々に落ちつけていきます。
それに集中することで、心を少しずつリラックスした状態に近づけていく、というものです。
もちろん、相手と対峙した試合の最中に、このような悠長なことはしていられないかもしれません。
しかし、闘争心のみに支配された状態では、身体は自然と前傾になり、肩も腕も力んで、丹田に力が入っていない状態になっています。
そこで普段の稽古から、常に
- 自分が今どんな姿勢をとっているのか?
- 呼吸の乱れはどうか?
ということに注意を払い、
- 美しい姿勢と静かな呼吸を心がける
ことで、より冷静に相手の動きを見ることができるようになります。
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技について
技ついて、いろいろな解釈があると思います。
私は、
- 「剣捌き」
と、相手の動きを見切る
- 「洞察力」
であると考えています。
剣捌きは相手の剣を受けるにも、自らの剣を打ち込むにも必須の技術であるし、洞察力はそれを可能にするためのものです。
剣捌き
大切なことは相手の中心、特に
胸から喉元あたりに対して剣先を置き続けること
です。
これは基本中の基本ですが、とかく初心者は剣先で叩き合うことにのみ集中してしまい、肝心の中心に対しての意識が希薄になりがちです。
そうならないように、常に剣先と相手の喉元を意識し、剣先をそこに「置く」ような意識が重要です。
もう一つ、誰しもがより速く剣を振りたいと考えるものです。
そのために、より速く素振りをしたり、トレーニング用の重い木刀を振ったりするかもしれません。
そういった鍛錬ももちろん必要ですが、ぜひやっていただきたいのが
「できる限りゆっくりと剣を振る」
という練習です。
ただ速く、強く剣を振る練習のみをしていると、腕力のみに頼った形になってしまい、実はそれほど速くも強くも振れていないということがあります。
できる限りゆっくりと、自分の身体を隅々まで丁寧に感じながら、正しく、美しい剣捌きができているのか、ということを確認することが重要です。
これにより、力任せの振りではなく、人間の身体として最適化された剣捌きになり、結果としてより速く強い振りを実現できます。
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洞察力
洞察力は、
相手の挙動を見て、相手が次に何をするのかを見切る力
です。
重要なことは、相手の全体像をとらえ続けることです。
特に初心者では相手の剣先や腕など、動きの大きいところにばかり視線がいきがちです。
一番良い状態は、
相手の眼を見て、それを中心に相手の動きを広く見ること
です。
では、そのためにどのような鍛錬を行えばいいのでしょうか?
これは私が体験して非常に面白いと思った方法ですが、
「小手面だけしか打ってはいけない(小手のみ、面のみも不可)」
というものです。
これをすると、小手面だけしか打ってはいけないとわかっているにも関わらず、つい面や小手、胴に打ち込んでしまいます。
このように、技を限定することによって、相手の動きをよく観察するようになり、隙を見つけやすくなります。
「相手の動きを見切る」という感覚を覚えるためには、試す価値のある鍛練法だと思います。
体について
体とは、
- 体捌き
とそのまま
- 身体自体
のことを指すと考えています。
筋肉量を増やすためのトレーニングは必須ですが、ここでは「姿勢」について書いてみたいと思います。
姿勢
姿勢は「心」をコントロールするために重要なことですが、
身体をコントロールする
という意味でも重要な要素です。
まず、絶対にやってはいけない姿勢は、いわゆる猫背です。
背中が曲がり、首が前に入ったこの姿勢では、尾てい骨も前方に入ってきます。
実際に試してもらうとわかりますが、尾てい骨が前に入った状態では、股関節がうまく屈伸しなくなります。
股関節は体重を移動し、身体を捌くうえで最も重要な関節です。
その股関節が機能しにくくなるということは、「体」そのものの動きが悪くなるということです。
まずは姿勢をただし、特に背骨の自然なS字カーブを意識しながら、背筋を伸ばした姿勢をとることが重要です。
また、肩を上げた状態にもなってはいけません。
これはそのまま、肩関節の可動範囲を大きく狭めるようになり、直接剣捌きに影響してきます。
肩が上がることで、体幹周りの筋肉にも力が入らなくなり、全体としての運動能力が低下してしまいます。
脇を締め、肩を下げて肩甲骨周りをリラックスさせた状態を保つ
ことが、体捌きでも剣捌きでも重要になります。
自然なS字カーブを意識しながら背筋を伸ばし、脇を締めながら肩周りをリラックスさせる、ということです。
このような姿勢が正しく取れれば、自然と丹田に力が入る状態になり、体捌きも向上していきます。
最後に
「心」「技」「体」について書いてきましたが、基本的にこれらは一朝一夕で成るものではありません。
例えば試合でいきなり「心」をコントロールしようとしても、どうしても体は上ずり、相手の動きも見えなくなります。
そうなれば「心」「技」「体」の全てが崩れてしまいます。
「継続は力なり」で、常日頃より強くなるためにはどうすればよいのか考え、それを実践し、また考え、実践する。
そういった一日一日の積み重ねのみが、強い剣士になるための近道であると言えますね。
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