武道家におすすめの情報
剣道の試合で勝てる体質を作る3つのエッセンス
また道場や少年団などに所属していると、
- 部内試合
- 対外試合
- 地域大会
など様々なシーンで相手との試合を行うことになり、そこでもやはり勝てる剣士になる事が求められます。
では、試合で常に勝ち続けている様な花形剣士は、どのような部分に気をつけて日々の稽古に打ち込んでいるのでしょうか?
そこで今回は剣道の試合で「勝てる体質」を作るためのエッセンスを、3つに分けて紹介していきます。
この内容を元に、剣道の試合で勝てる体質になってみませんか?
剣道の基本は「心・技・体」というより「気・剣・体の一致」
よく他の武道の教則本や、高名な先生の講演などでは
「武道は心技体の全てを養成する素晴らしいものです」
といった内容が出てきます。
実は剣道は心技体の一致ももちろん大事ではありますが、それ以上に
- 「気・剣・体の一致」
が重要な要素となっているのです。
では、この気剣体一致とは一体どういう意味なのでしょうか。
単に当てれば良いという訳ではない
実は剣道の試合などにおいても、単に面・胴・小手・突きなどの部位に竹刀が当たればそれで良い、その辺を適当に引っ叩いておけば勝てる、という事にはなっていません。
これは古来の真剣での勝負が源流になっていることから、きちんとそれぞれの部位を「気剣体一致」の状態で、有効に打突しなければならないのが理由です。
もう少しわかりやすく言うと、これがもし竹刀ではなく真剣だった場合、
- この打突で相手を確実に斬れていたか?
- 突き刺せていたか?
という点で、有効打突かどうかをジャッジしているのです。
ただ適当に剣を振り回して、引っ叩いているだけでは、剣の太刀筋も悪く、また最悪は剣の峰(みね)で峰打ちにしてしまっている可能性すらあります。
これが真剣だった場合は、相手を確実に斬れているかどうか怪しいものです。
剣道の試合の場合は、こういった部分まで細かく見る必要があり、その理由からも審判が主審1名・副審2名の3名体制となっているのです。
剣道で一本を取るために審判員がどこを見ているのかを考えて試合をする
有効打突を生み出すには
では、試合で一本に繋がるような有効打突を生み出すには、どうすれば良いのでしょうか?
基本的には気剣体一致、すなわち
- 【気】充分な気迫・気勢を持ち、それが声にも出ている状態
- 【剣】剣はきちんと刃が相手に向いており(竹刀の場合はツルが自分側に向いている状態)太刀筋が正確で、ある程度しっかりと打突部位を捉えている状態
- 【体】先の気・剣の条件が揃った状態で、打突するにふさわしい体勢・足さばきで打ち込み、場合によっては確実に残心を行うこと
という三点が揃っている状態で、打突を行うことで一本が生まれます。
つまり単純に小手先の技術を磨いておけば良いわけではなく、それぞれの技を必要な時に、気剣体一致の状態で瞬時に繰り出せる、そんな練習を積み重ねる事が重要となってきます。
有効打突は日々の基本稽古から生まれる
とは言うものの、練習を積み重ねることで身体に技を覚え込ませておかなければ、なかなか試合の際にパっと技が出てくることはありません。
そこで普段から大事にしたいのが、基本の動作を重ねて復習する「打ち込み稽古」なのです。
たまに勢いのある剣士などは
「打ち込みなんてどうでも良いから試合の実践稽古をやったほうが勝てるよ!」
なんて言ったりします。
しかしの場合は、彼らがあまり本当の意味で強い剣士ではないか、あるいは人から見えない所で打ち込み稽古をしているなど、影の努力を惜しまない剣士かのどちらかと言っても過言ではないでしょう。
自分の得意技を見つけよう
そして普段の打ち込み稽古を行う上で気をつけたいのが、
- 「自分の得意技を見つける」
ということです。
もちろんまんべんなく、様々な稽古を行いたい所なのですが、やはり
- 得意技=完成された技が出やすい=試合で一本が取りやすい
ということで、得意技を見つけて磨いておくのはとても重要です。
クセではなく、得意技
こういう話をするとよく
「自分がいつも使っている=得意技」
と勘違いをされることもあるのですが、実はそうではありません。
と言うのもいつも試合で使っている技というのは、本当に毎回一本が取れていますか?
取れているのであれば、全く問題なくそれがあなたの得意技です。
しかしこれが打率3割以下(10回技を繰り出して一本が取れるのが3回以下)の場合は、得意技と言うよりは単なる「クセ」に留まっている可能性が大きいのです。
それでは試合に勝つことが出来ませんので、まずはその技を「クセ」から「得意技」に進化させてあげたいところです。
打率を磨こう
そもそも打率が悪いということは、どういうことでしょうか。
これは普段から使っている技(クセ)が、何らかの理由で有効打突として認められにくい、ということに他なりません。
それでも10回に3回は有効打突になっているのであれば、この打率を磨いて引き上げてあげれば、立派な得意技に進化します。
まずはこの技を、指導者や先輩など目上の人に見てもらい、「どの部分が足りていないから有効打突になりにくいのか」を分析してもらいましょう。
そしてその分析結果を意識して、今度は有効打突になるように、繰り返し何度も打ち込み稽古を行い、自分のフォームや姿勢を矯正するのです。
一旦ついてしまったクセを矯正して、正しい技にするには中々苦労が必要ですが、ここは気合の見せ所です。
また疲れていない状態の時は、意識して矯正したり、筋肉がまだそれを矯正出来るだけのコンディションですが、これでは身体の深い部分にまでは、矯正が染み込みません。
手軽になったビデオ撮影で試合を撮影して自分自身の動きを研究する
限界の状態から技を磨く
オススメなのは、一度地稽古や掛かり稽古などで体力の限界まで身体を絞り、それから技を磨くという方法です。
これだと頭はクセを矯正するだけの余裕はありませんし、筋肉も疲労状態になっていて取り繕う余裕なんてありません。
身体に染み付いていなければ、驚くほど悪い癖が沢山出てきます。
ここを何度もストイックに矯正して初めて身体に染み込み、試合などのイザという時に、得意技としてその真価を発揮するのです。
試合には稽古に無い要素が沢山
このような努力を重ねて臨む試合ですが、普段の稽古にはないような要素が沢山あります。
これらの要素に集中力をそがれてしまい、結果実力が発揮できないということもありますので、普段からこういう場に慣れておくなどの対策も重要です。
場の空気に飲まれない練習を
特に団体戦の場合などは試合が始まった時、そして中断から再開した時などは拍手がおこったりヤジが飛んだり、外野からの情報がとにかく入ってきます。
実際に試合をしている時は、そんなの耳にも入らないという人が多いのですが、やはり深層心理には響いていますので、何かと緊張してしまったり、いわゆる場に飲まれるというケースがよく起こります。
こうした場合は試合に集中しているようで、実は全く集中出来ていません。
本当に「何故ここで打たれた!?」というような場面で、思わぬ一本を取られてしまうことに繋がります。
これはもう試合慣れしていくしかありませんので、とにかく
- 試合と同じ様なシチュエーションの部内試合に繰り返し参加する
- 他の道場に出稽古をし、そこの練習試合に出させてもらう
などの対策を積み上げる事が何よりの訓練になります。
プロのスポーツ選手がやっているメンタルトレーニングを学ぶならこちら
初心者がやりがちな反則
また、初心者が特にやりがちな反則があり、これらは基本的に2回繰り返すと相手に一本を与えてしまいます。
そうでなくとも引き分けになった場合などは、大会のルールによっては反則本数の差で負けてしまうケースもありますので、いずれにしても反則は出さないようにするのが原則です。
とは言うものの、やはり初心者の場合は
- 「場外反則」
- 「防具・竹刀の不備による反則」
- 「礼を失した行動による反則」
の3つが多くみられます。
場外反則は言わずもがな、試合の場外に足を踏み出してしまう反則です。
これは最初のうちは、もうとにかく「下がらない」ということだけ頭に入れておけば、ある程度防ぐことが出来る反則です。
そして防具などの不備による反則。
これは防具の場合は紐の締め付けがゆるい、または解けてしまったなどで、防具が外れそうになるなど危険な状態になったり、竹刀が長すぎる、短すぎる、軽すぎる、重すぎるなどでレギュレーション違反になっていると受ける反則です。
これは確実に試合が一旦ストップしてしまい、空気が変わりますので、出来る限り避けたい反則のひとつです。
防具の付け方に自信がない場合は、恥ずかしがらず周りに相談しましょう。
相手に対して敬意を払おう
そして最後の反則が「礼を失した行動による反則」です。
これは若い少年剣士などによくありがちなもので、例えば有名なものでは「一本取ったあとにガッツポーズ」などがこれに該当します。
剣道は他の武道と比較しても、とにかく礼儀作法に厳しい武道ですから、こういった相手に対して敬意を払わない行動は、すぐに反則として試合実績に跳ね返ってきます。
ちなみに試合がヒートアップしてくると、つい有効打突部位以外の、いわゆる生身の部分を打ち込んで攻撃することがあります。
これは意外にも少年剣士だけでなく、大人にも言えることだったりするのですが、この場合は程度がひどいと、反則どころか「暴力的行為」として、そのまま退場やその後の試合出場停止処分などに繋がりますので、充分に注意しましょう。
万が一、剣がそれたなどで相手の太ももなどを思い切り打ち込んでしまった場合は、相手に軽くで良いので一礼したり、相手が動けない時は、少し待ってあげるなどの行動を取りたいところです。
確かにこの時すぐに打ち込めば、一本を取れる可能性も充分にありますが、それでは礼儀作法を重んじる剣士としては失格ですからね。
まとめ
この様に剣道の試合に勝つ方法、といっても派手な裏ワザなどはありませんし、基本的な打ち込み稽古に終始することが、結局は勝つための近道と言えます。
しかし、その中でもどれだけ効率的に考えながら稽古をすることが出来るかによって、試合の時の結果は大きく変わります。
有効な稽古を積み重ねて、勝てる体質の剣士になりましょうね!
剣道で上達する方法
剣道で上達するには、それに必要な知識を学んでおく事が重要です。知識がない状態で先生に指導を受けても、理解が深まりません。
逆に知識を持っていることで、理解が深まり、上達の速度は上がっていくでしょう。
こちらの無料メールマガジンでは、剣道に必要な情報などを配信しております。
ぜひ、ご登録ください。
剣道で上達していくには
- 一流の人がどのような練習や考え方をしているのか?
- 一流の指導者がどこをポイントとして指導しているのか?
それらを知ることができる、おすすめのDVDがこちらです。
ぜひご覧ください。
- 試合で結果を出せるようになる
- 理想的な剣道ができる
- 大人になって始めた人でも上達でき、試合で勝てる
- 高段者に「動きが良くなった」と認められる
- 子供が部活で大活躍でき、試合でも勝てる
- 子供に効果的な指導ができ、試合で勝たせてあげられる
- ライバルに勝てるようになる
- 手と足が一致するようになる
- かたい動きがスムーズな動きになる
- チャンスをものにできる動きが習得できる
- 合理的な動きが自然にできるようになる
- 運動神経が良くない少年剣士でも試合で勝てる稽古法とは?
- 子供剣士にありがちな、継足が歩み足になってしまう癖の矯正方法とは?
- 鍔迫り合いで相手に圧倒されて何もできない小学生が見落としている基本とは?
- 小中学生剣士が理解しにくい一足一刀と二足一刀の違いの教え方とは?
- 鍔迫りからの引き技でいつも一本勝ちできる小学生がやっている稽古法とは?
- いつも相手が打ってくるのを待って出ばな小手を打とうとする悪癖解決策とは?
剣道の竹刀を安く買えるお店
剣道で最もお金を使うものといえば、竹刀ではないでしょうか?確かに防具も価格の高いものにはなります。
しかし、竹刀は頻繁に割れたり、ささくれができたりして、剣道をしている間何度も何度も買い替える必要があります。
そこでおすすめなのが、ネット通販で購入することです。
仕組みの竹刀でも、店舗の竹のみを買うよりも安く購入することができます。
また、実践型や胴張り型などの竹刀の種類も豊富で、安く買うことができます。
ぜひご覧ください。
剣道おすすめラインスタンプ
剣道をしている人におすすめのラインスタンプです。剣道大会の結果報告に使えるスタンプ
日常で使える剣道イラストスタンプ
関連ページ
- 剣道で大切な礼儀や精神面の考え方とは?剣道修錬の心構え
- 剣道は武道です。勝敗ももちろん大切ですが、それよりも大切なのは、精神面や礼儀です。恐怖心を超えることであったり、下の相手でも敬意を忘れず、油断しないことであったりです。これが、剣道上達ための元になるものです。ぜひ、ご覧ください。
- 卒業や卒団の時に先輩や先生に喜ばれるおすすめの記念品や贈答品
- 春は卒業や卒団のシーズンです。今までお世話になった先生や先輩に、今までのお礼や感謝の気持ちを形にして伝える時でもあります。そんな先輩や先生に喜ばれるおすすめの記念品や贈答品を紹介いたします。
- 剣道で重要な心技体一致について
- 精神と技術、そして体捌きが満たされて初めて一人前の剣士になります。試合で勝つためにはそれらの鍛錬が大切になり、それらを理解することによって剣道の上達は早まります。心技体一致について紹介いたします。
- 強い剣士になるなら礼儀作法と精神力(メンタル)が重要です
- 強い剣士になりたいと思っているなら、礼儀作法から始めることです。相手に対して尊敬の念を持って常に試合に臨みます。メンタルを鍛えることも大切です。精神力は、剣道の試合で勝つためには非常に重要な物で、試合で自分の力が出せるか出せないかは、このメンタルが大きな影響を与えます。
- 剣道初心者で子供と大人とでの練習の違いとは?理解して上達しよう!
- 剣道上達に必要なのは才能ではなく圧倒的な努力です。それは、子供も大人も関係がありません。しかし、大人の場合、趣味や健康維持を目的として剣道に欠かせない重要な基本動作を疎かにしていることがあります。そこに大きな原因があるといえるでしょう。
- 剣道でもイメージトレーニングは必要です!大会で勝つために重要なこと
- 剣道の試合で練習通りの実力を発揮できる選手というのは少ないかもしれません。それは、大会は普段とは違う場所や環境のため、体が危機的な状況と判断して反応してしまうからです。大会で勝つために重要なことを紹介いたします。
- 一本取り消しも!?試合の際に選手も観客も気をつけたい「マナー」とは?
- 剣道というのは試合の際にも非常に礼節を重んじるスポーツの一つです。剣道のマナーというのは剣士のみならず観客にも求められます。そこで今回は一本取り消しもありうるという、剣道の試合の際に気をつけたい「マナー」についてご紹介をしていきます。
- 他の剣道場への出稽古の時に気をつけたい3つのポイント
- 剣道を習う場合、自分が所属する道場は一つに限定されるものです。しかし剣士としてのキャリアアップのため同じ地域の違う道場に通うこと必要なのではないでしょうか。通称「出稽古」というのですが、道場や剣道連盟、地域によって細かく稽古の運用というものは異なります。そこで、他の道場へ出稽古をする際に気をつけたいポイントを2つご紹介していきます。
- 昇段審査や大会の試合では、剣道着や竹刀、防具等の着装はきっちりと着用を!
- 剣道をするために身に付ける剣道着。竹刀や防具の着装は乱れることなくきっちり着用しなければいけません。着装の乱れは気のゆるみ、技も中途半端になります。普段の稽古から自分の体に合った剣道具を身に付けることが、昇段審査や試合のいい結果に繋がっていきます。正しい着装、乱れていない剣士は強いです。着装を正しくするポイントが何点か紹介いたします。