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打ち込みの基礎知識
打ち込みという言葉は、もともと剣道における打ち込み練習から来ているといわれています。
剣道の打ち込み練習では、何度も竹刀を打ち下ろして一本を取る練習をしますが、柔道では「相手を投げる動作を繰り返し練習すること」を打ち込みといいます。
本来なら、打ち込みは誰かに協力してもらって行う練習方法です。
実際に相手の体を使って、投げる直前までの動作を何度も繰り返して行います。
地味な練習ですが、これを繰り返すことで投げ技の形がしっかりと体に染み込むので、試合でも安定して技が出せるようになっていくのです。
「一人打ち込み」に果たして本当に効果があるのか
ここからが本題なのですが、打ち込みのやり方として
- 「一人打ち込み」
と呼ばれる方法があります。
通常の打ち込みは2人以上で行うものですが、一人打ち込みは呼んで字の如くたった1人でも行える練習法です。
例えば一本背負いの打ち込みを行う場合は柱などに帯を巻き、それを相手の腕に見立てて背負い投げのモーションに入ります。
また、壁を相手に見立てて両手で掴んだり、壁や柱を使わずにモーションだけを繰り返すという方法もあります。
一人打ち込みなら他の選手の協力が無くてもできますし、場所も選ばないのでいつでもどこでも練習ができるようになります。
ところが、一人打ち込みの効果について、疑問を持っている方もいるようです。
「一人打ち込みでは体重移動が学べない」
「正しい技の形が崩れかねない」
という理由で、一人打ち込みを敬遠している選手もいます。
しかし一人打ち込みは単に「手軽にできる」というだけがメリットの練習法ではありません。
やり方によっては、二人打ち込みや三人打ち込みにも無い大きなメリットを享受することができる優れた練習法なのです。
まず最大のメリットは
- 「技の形を体に覚え込ませることができる」
という点です。
納得がいくまで練習できる
柔道の技は見た目以上に繊細で、手・足・腰・肩など様々な部分に違った動きをさせなければ綺麗に決まりません。
それらの動きをスムーズに繰り出すためには、膨大な反復練習が必要不可欠なのですが、一人打ち込みはそのための練習法にもってこいなのです。
二人打ち込みだと相手の体力や時間にも合わせなければなりませんが、
一人打ち込みは体力の続く限り、時間の許す限り何度でも練習ができるので技の形を覚えるためには最適
です。
そして
- 「適切な筋肉が鍛えられる」
というメリットもあります。
一人打ち込みを続けていると、その技を出すために役立つ筋肉を無理なく発達させることができます。
また、連続して行うと持久力のトレーニングにもなるので、試合中のスタミナ切れを防ぐ効果も期待できるでしょう。
その他にも、一人打ち込みにはメリットがたくさんあります。
指導者の意向で敬遠しているなら仕方がありませんが、「一人打ち込みに全く効果がない」というのは勘違いなので安心して練習を行ってください。
二人打ち込み・三人打ち込みとの違いは?
今回は一人打ち込みに重点を置いてご紹介しましたが、もちろん二人打ち込みと三人打ち込みにもメリットがあります。
基本的な効果は同じですが、練習によって得られる効果に若干の違いがありますので、覚えておきましょう。
二人打ち込み
二人打ち込みは、一人打ち込みに比べてより実践的な感覚を身に着けるのに向いています。
実際に相手を担ぐような形で打ち込みを行うため、重心のコントロールや力の入れ方を学ぶことができます。
3種類の打ち込みのなかで最も一般的な方法ですので、ほとんどの選手は実際に二人打ち込みで練習を行っていることでしょう。
三人打ち込み
三人打ち込みは、技を受ける相手側に補助が1人つき、2人がかりで体重をかける打ち込みの方法です。
通常よりも強い負荷をかけることで、相手の踏ん張りをものともしない、力強い投げ技が打てるようになります。
一人打ち込みや二人打ち込みに比べて、体幹コントロールや筋力の向上が見込めることも、三人打ち込みのメリットです。
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